血液クレンジングとオゾン療法、定義と効果から見てみます


このページで取り上げた内容

  1. 海外における「オゾン療法」の定義、広いです
  2. 日本における「オゾン療法」の定義、狭いです
  3. オゾン療法の効果を「あっさりと」
  4. オゾン療法の効果を「ごっそりと」
  5. 広い意味のオゾン療法。あれもこれも、飲み水からサウナまでもオゾン療法

海外では 「オゾンガス」を使って行う治療を総じてオゾン療法といっています。

オゾン療法、血液クレンジング

オゾンは塩素よりも強い酸化力を持っているガスで大気中にも普通に存在している物質です。

非常に不安定で壊れやすく残留性がないため、海外では1893年から、日本では1970年から水処理施設の殺菌・脱臭にオゾンが利用されています。

オゾンガスを治療に利用するという発想は1870年のドイツで始まりましたが、ドイツ帰りの医師が中心になって日本でも1923年に九州大学でオゾン療法が行われていました。

今、僕たちが日本で受けられる一般的なオゾン療法は当時のオゾン療法とは違って1961年ごろからドイツで広まった治療方法で「大量自家血液療法(Major Autohemotherapy)」というものです。いくつかあるオゾン療法のうちの一つのやり方です。
(このHPにおいては、オゾン療法全般を指す場合は「広義のオゾン療法」と呼ぶこととし、ただ「オゾン療法」と書くときは大量自家血液療法を指すこととします。)

日本では主に、採血した血液にオゾンガスを曝露させ再び体内に戻す治療がオゾン療法として行われます。

日本のオゾン療法は、オゾンガスを体内に直接注入するのではなく、採血した血液を密封したガラス瓶の中でオゾンガスに反応させる方法をとります。

そしてそれによって活性化した血液と、新しく生まれた酸化生成物だけを点滴で体内に戻します。役目を終えたオゾンガスは酸素になっています。

このオゾン療法(大量自家血液療法)は、日本では「血液クレンジング療法」という呼び名も持っています。故・伊藤壱裕医師(生前時は銀座オクトクリニックの院長でした)がつけたそうですが、このペンネームに関しては医師の間で賛否両論あるようです。確かに、血液クレンジングという呼び名はアンチエイジング系の美容皮膚科的なものに感じてしまいがちです。そういった意図があったのかもしれませんが、そのイメージでメディアにも取り上げられているようです。

  • 2011年2月2日「今日感テレビ」(RKB毎日放送系列)
  • 2010年12月10日「DON!」(日本テレビ系列)
  • 2010年6月1日「さんまのホンマでっか!?TV」(フジテレビ系列)

オゾン療法は、ウイルスや細菌の殺菌という側面と、酸化療法という側面を持ちます。酸化療法とは抗酸化療法と求める結果は同じですが、やり方は真逆です。

身体にわざと「適度な」酸化ストレスを与えることで、カラダが自前で持つ抗酸化力を活発にして強化させるのが目的です。この方法で抗酸化力を強化する方法を「酸化療法」とよんでいますが、オゾン療法のほかにも様々な酸化療法があり、それぞれ発生する活性酸素の種類や生じる酸化性生物が異なるのでそれこそいろいろな治療効果を目指して使用されます。

オゾン療法の効果を「あっさりと」挙げてみました。

オゾン療法、血液クレンジング療法では以下のような効果があると主張されています。

  • 隅々にまで酸素が行き渡るようになる
  • 隅々まで血行が良くなる
  • サラサラ血液になる
  • 抗酸化力が高まる
  • 免疫力が高まる
  • 細胞がより元気になり、たくさんエネルギーを作るようになる

オゾン療法の少量で制御された酸化ストレスに対して、すべての患者が同じようには反応しません。それは他の医学的な薬物治療と同様で、標準的な反応を示す人、強く反応する人、あまり反応しない人が存在します。また、患者ひとり一人の体質の違いなど、制御できない要因も、他の治療と同じに存在します。オゾン療法は万能薬ではありません。

参考|ドイツで1万人以上の医師が選んだ「血液クレンジング療法」(現代書林2011年1月7日刷 渡井健男医学博士著)

オゾン療法の効果を「ごっそりと」挙げてみました。

ネットで調べているとオゾン療法というのは「何にでも効くっていうけど、それって何にも効かないっていうこと?」という疑問もありました。まだ治療を受けたことのない人の素朴な疑問ですが、この言葉を送ります。

受け売りですが、

人体の自然治癒の巧妙な仕組みをわずかな刺激で大きく後押しするというのが、オゾン療法の基本的な考え方だといえるでしょう。

抜粋|既出、ドイツで1万人以上の医師が選んだ「血液クレンジング療法」より

オゾン療法家の世界的な団体のひとつである「the International Scientific Committee of Ozonetherapy (ISCO3) 」は、以下のような疾患をあげて有効と述べています。

  1. エビデンスで有効性が証明されうるもの
    1. 骨髄炎、肺気腫、瘻孔(瘻)を伴う膿瘍、感染創、床ずれ、慢性潰瘍、糖尿病壊疽、やけど
    2. 進行した虚血性疾患
    3. 伝統的な眼科によって有効な治療ができない加齢に関連する黄斑変性症(萎縮型)
    4. 整形外科に関する病気や局所的な関節炎
    5. 慢性疲労症候群や線維筋痛症
    6. 特に子供たちに発生し、初期における齲蝕原性の損傷に関連する歯の損傷
    7. 口腔における慢性的、再発性の感染に関する口腔病
    8. 急性、慢性的な感染症疾患で、特に抗生物質に抵抗するバクテリア、あるいは、化学療法に抵抗するウィルスや菌類(肝炎、HIV-AIDS、ヘルペス、帯状疱疹感染、乳頭腫ウイルス属感染、爪白癬、カンジダ症、ランブル鞭毛虫症、クリプトスポリジウム症など)、バルトリン腺炎、膣カンジダ症
  2. エビデンスで有効性が証明されうるもの
    1. 癌が原因の疲労感、気管支喘息
  3. 有効とされながら、信頼できるエビデンスがないもの
    1. 自己免疫の病気(多発性硬化症、リウマチ性関節炎、クローン病)、老年性痴呆症、 肺の病気(気腫、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群)、皮膚の病気(乾癬、アトピー皮膚炎)、転移性がん、重度の敗血症、多臓器機能不全

参考:オゾン療法の世界標準化を目指す「マドリッド宣言」2010年6月より抜粋(pdf)

たくさんのオゾン療法。あれもこれも、飲み水からサウナまでもオゾン療法。

改めてページを変えて説明しますが、オゾン療法はこんな感じで1つではありません。さらには医師や所属団体、国柄も含め、他に亜流もたくさんあるようです。中には1933年及び1961年のオゾン療法の節目を境に改革されてきた現代オゾン療法の流れにそぐわない治療もあるそうですが、いまだ行っているオゾン療法士もいますので消さずに挙げてあります。

海外のいくつものHPから抜いた情報をまとめたものです。邦訳は間違っているかもしれませんので当該サイトに書かれていた英文名を併記しました。

  • オゾン療法(Ozone Therapy)
    • ├注入| Injection
      • ├自家血液療法|Ozone Autohemotherapy(intravenous autohaemotransfusion)
        • ├大量自家血液療法|Major Autohemotherapy(MAHT)=血液クレンジング療法
        • └少量自家血液療法|Minor Autohemotherapy
      • ├EBOO(体外血液循環療法)|Extracorporeal Blood Oxygenation and Ozonation
      • ├注射療法|gas injections
        • ├直接静脈注射|direct intravenous injection
        • ├動脈内注射|intra-arterial injection
      • ├局所注射療法|gas injections
        • ├皮下オゾン療法|Subcutaneous Ozone Therapy(subcutaneous injections)
        • ├筋肉内オゾン療法|Intramuscular Ozone Therapy(intramuscular injections)
        • ├関節オゾン療法|prolotherapy、intra-articular gas injections
        • ├椎間板オゾン療法|intradiscal gas injections
        • ├腫瘍への直接注射|direct injection into a tumor
        • └Prolozone関節オゾン療法|Prolozone Therapy(Prolozone Joint injections)
    • ├吹送| Insufflation
      • ├直腸注入療法|Rectal Insufflation
      • ├膣オゾン療法(VOT)|Vaginal Ozone Therapy、vaginal insufflation
      • ├耳|in the ear
      • └尿道|urethra
    • ├吸入| Inhalation
      • └bubbled through olive oil
    • ├摂取| Ingestion
      • └オゾン水|ozonated water
    • ├経皮 |Transdermal
      • ├オゾンバッグ Ozone Bagging
      • ├オゾンカップ Ozone Cups
      • ├オゾンサウナ transdermal ozone gas sauna
      • ├オゾンボディスーツ body suit
      • └オゾン化オリーブ油|ozonated olive oil

オゾン療法についてはまだ、調べた情報が山盛り手元に残っていますのであと何回かに分けて徹底解説したいとおもいます。

どこよりも詳しく、どこよりも深く、どこよりもまともな情報を目指していますが、情報のご利用に当たっては自己責任でお願いします。

  • comio

    オゾン水に関するものが知りたいです

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